ストーリーデータ
刺激ある刑事に憧れ、期待を胸に湾岸署に赴任してきた青島俊作・29才、元コンピュータ会社の営業マンである。
はつらつとしたおもむきで初出勤した朝、・・・刑事課には誰もいなかった。荷物を持ったまま、きょろきょろして辺りを見回すと、・・・・いた。盗犯係に女性刑事・恩田すみれが。彼女はおでんをコンビニから盗んでポケットに隠している高校生男子を取り調べている最中だった。その時、管轄内で事件が発生した。しかし、恩田刑事・・・すみれを除いて他の刑事達は誰もいない。すみれも取調中なので動こうとしない。青島はすみれに言われて事件現場に一人向かうことになった。
事件はオフィスビルで男性の他殺死体が発見されたというもの。
初出勤後はじめての事件に胸を高鳴らせ足どりよく現場のロープをくぐる青島。しかし、そこにはすでに機動捜査隊(機捜)が来ており、青島は「所轄は向こうにいってろ!」と言われ、すぐに追い出されてしまった。そこにあらわれた老刑事、湾岸署強行犯係の和久平八郎は青島に初動捜査は機捜に任せるということを教える。するとその後、捜査一課の刑事達と後に今回の事件の捜査指揮をとることになる一課の管理官・室井慎次があらわれる。和久は青島を連れて署に戻ることにした。
署に戻ると袴田刑事課長は強行犯係の面々に青島を紹介した。先ほど現場で会った和久に、キャリアで第一方面本部長の息子・真下正義刑事、強行犯係長・魚住二郎・・・以上、彼らが強行犯係の刑事であり青島は今日からここの一員となる。
その後、事件は『会社員殺人事件』とされ、湾岸署に特別捜査本部が設置された。
第一線で捜査をおこなうのはもちろん捜査一課であり、所轄署はそのコマとして使われる。青島は今回の事件捜査のわりふりにおいて室井管理官の運転手を申しつけられた。警察の上下社会のならわしににえきらない気持ちで運転手を引き受ける青島は事情聴取の為、ある病院で(取り調べには参加させてもらえなかったが)第一発見者で殺された会社員の娘・柏木雪乃をはじめて目にする。彼女はショックで口がきけなくなっていた。
署に戻るとサラリーマン風の男が、鞄の中に何十もつながった鍵の束を持っており様子がおかしかったということで署に連れてこられていた。彼の取り調べは盗犯係がおこなうのだが、誰も手が空かないので青島が代わりにおこなうことになった。彼・田中文夫は何度か、夜中ビルに忍び込んではつまらないものを盗んでいることから任意同行をかけられていたことがわかった。が、今回の場合は鍵を何十も持っていたということだてなのですぐに帰ってもらうことになった。
青島は、彼がサラリーマンで営業をやっているということから昔の自分を見ているように思えたのだった。
その後、また室井に言われ被害者の娘・雪乃の病院に資料を取りに行った。今度は青島一人だ。そして、何か思いだしたか聞くように頼まれる。
病室を訪れた青島は雪乃が資料・・・殺された父の現場写真を見て涙を流すのを見た。写真をすぐに奪い、どうしようもない思いにかられる青島。はじめての事件の中で、交番勤務の時は人々平和の為に働いてきたのに、刑事なぜ事件解決が一番だからといって人の気持ちを二の次に考えなければいけないのか?・・・様々な気持ちが青島の中に渦巻く。
青島が署にもどった後、事件の犯人が自首して湾岸署に連行されてきた。なんと、あの、鞄の中に鍵を何十も所持していたことで青島が取り調べた・・・田中文夫だった。
「きみ・・・・」青島は田中に歩み寄った。
「人を殺して、なのに、普通の顔して僕と話してたのか?」
「・・・・・あんたに言いたいことあって、自首したんだ。・・・殺すつもりはなかった。忍び込むのが楽しかったのに、みつかっちまって。あんたの言ったとおりだ。本当は、僕も毎日刺激なかったんだ・・・。」
やや力を落とす青島。
「きみも、刑事になればよかったのに。」
「でも、・・・そっちも刺激ないんでしょ?」
「あるよ。毎日ドキドキしてる。」
「そっか・・・いいな。」少し笑う田中。「頑張ってね。」
「・・・・・・・ああ・・・。」
そして田中は捜査員に連れて行かれてゆく。
ずっと田中の背中を見つめる青島。
さきほどまで、青島の心の内に何か少し変化が起こっているようだった。
■第2話「愛と復讐の宅急便」
一月、ばかでかい荷物が和久宛に届いたある火曜日のことである。
この日は朝から強引な保険の勧誘に迫られたり、傷害事件の通報があったので和久と現場へ向かったものの、女がふられた腹いせに男の自慢の髪をはさみで切った・・というロクでもない事件にボーゼンとしてしまう青島。
結局、男がめそめそしながら告訴すると言い出したので、署に行って男には被害届を書いてもらい、女には取り調べを受けてもらうことになったのだが、男は被害届を書いてる途中でだんだん女の事が心配になり、告訴を取り下げた。女は帰る間際に、「たいしたことじゃないのに、おおげさにしないでよ!だから警察は嫌いよ!!」と怒鳴る。そんな捨てぜりふを言われた青島にすみれは「警察はうらまれてなんぼ。」と、言うのだった。
「警視庁の捜査一課の方がいらっしゃった」神田署長が刑事課へ入ってきた。
そのあとから入ってきたのは、捜査一課の島津課長と、以前会社員殺人事件で指揮をとった室井管理官である。「和久さん、お話を伺いたいんです。」室井は和久に近づいてゆく。仕方なく彼らと応接室に入る和久。彼らは和久に、ある男の取り調べ風景を映したビデオを見せた。…山部良和・25歳。去年3月に起きた八王子郊外の警察官殺しの重要参考人にあがっているという。彼らは殺された警官が山部を道交法違反で取り調べたとき、暴力行為をおこなったことから、三年前に一度取り調べをした際に同じく暴力行為をおこなった和久が同じように狙われている可能性があるというのだ。山部はしかえしの為に警官を殺害したのだ。
「これなんスか?」和久の腰をもんでいた真下は和久宛に届いていたばかでかい荷物に気づいた。和久も、届いていたことをすっかり忘れていたようだったが、あけてみることにした。中身は健康チェアーで、差出人に袴田刑事課長の名が書いてあることから、刑事課の誰もが腰痛持ちの和久への課長からのプレゼントだと思っていた。和久は椅子に腰掛け、課の全員から拍手されると尻の下になにか堅い感触があるのに気づいた。取ってみると、それはピンだった。しかも…手榴弾のピン。なんと椅子の下に手榴弾が仕組まれており、座っている和久が腰をあげると爆発するというものらしい。その後恐怖におののいた課員達は部屋から急いで逃げてゆく。残ったのは和久と青島、そして平然としているすみれの3人。後からの室井の電話により、それは山部の仕業であることがわかる。室井の近くには取調中の山部がいた。彼は落ち着いた口調で言う。「和久さん吹っ飛びましたか?」
なんとか手榴弾のピンを元に戻して爆発を免れようと思い、青島は椅子の下に潜って爆弾を留めてある数本のワイヤーのうち1本に手を触れた・・だがその瞬間、ワイヤー同志を下手に触れさせると爆発する事を室井に聞かされた。電話ごしに何も言わない青島に「さわっちゃったのか?」と室井。これで青島も動きがとれなくなってしまう。
山部は自分に暴力をふるったことを謝罪すれば爆弾の除去法を教えてやると言ってきた。和久は了解して受話器を受け取ったものの、「この変態野郎!おまえなんかなぁ…!!」と、罵声を浴びせてしまう。警官殺しを彼は絶対ゆるせなかったのだ。
幾時か、時間が経った後、警視庁の爆発物処理班が到着し、すみやかに爆弾を除去した。腰の痛さが頂点に達していた和久は、やっと椅子から腰をあげることができた。
事件は解決したのだ。
すみれと今日食事に行く約束をしていた青島は、彼女を連れてすぐ店へ向かう。彼女は火曜日は1人になりたくなかったという。予約していた店はすでに閉まっており、違う店に行こうと言う青島だったが、ポケベルが鳴り、すぐまた仕事に戻ることになった。
理由を聞けないまま、彼女を残して…。
■第3話「消された調書と彼女の事件」
朝、湾岸署に傷害事件の通報が入ったのだが、被害現場は道の反対側。
勝どき署の管轄である為に(両署の署長はどうやらライバル関係にあるらしい)仕方なく署に戻る袴田課長以下強行犯係一同。
すると、帰るとすぐに青島あてに病院から電話がはいっているという。
柏木雪乃が病院を抜け出したのだ。
青島は急いで雪乃が行きそうな場所を考え、探しに行くと彼女は父親の墓前にいた。
そのころ、湾岸署盗犯係に一人の女子中学生が、歩いていたら男に鞄を盗まれたということですみれから事情聴取を受けていた。
すみれはその男の顔を目撃したという圭子婦警に話を聞き、似顔絵を作成することにした。だが、被疑者の男とは建設省の官房次官の息子だという。
男は女子中学生の鞄を見てひったくり逃げるのだが、その時近くにいた婦警に顔を見られたことに気付き、父親に相談。
父親はキャリアの友人である警視庁刑事部長に息子の事件をもみ消してもらうよう、依頼していた。
刑事部長は室井管理官にこの事を話し、湾岸署に指示を出して事件をもみ消しにするように命令した。汚れ仕事を任された室井は湾岸署署長へ指示を下す。もちろんそれを受けた署長は、秋山副署長、袴田課長に捜査を打ち切るように指示するのだった。
雪乃を病院に送り、署に戻った青島は様子がおかしいことに気付く。
どうやら、事件をうやむやにしようとする上のやり方が、そしてなにより男が、弱い女を傷つけたことがどうしても許せないすみれが目撃した圭子をつれて逃走してしまったという。
「絶対マスコミに知らせてやる。こっちには目撃者がいるんだ。」
なにも知らなかった青島を前にそう言うとエスカレーターの方に逃げていく。
青島からその言葉を聞いた袴田は刑事課員を総動員し、署内の捜索にのりだすのだった。
地下の留置場に隠れていたすみれは圭子をつれ、和久の説得により課に戻ることにし、応接室で室井を口論をする。仕方なく室井は被疑者の男とその父親(官房次官)、そして弁護士を湾岸署に呼び、送検しても不起訴は確実であるのだが、(形だけの)取り調べを認める。青島、室井の立ち会いのもとですみれが男を取り調べをおこなう。しかし男は「僕がやりました。反省してます。」の一点張り。
どうやら弁護士に知恵を与えてもらったらしい。話しにならないとおもったすみれは、仕方なく取り調べを終えるのだが、その時男の言った「パパにお礼を言わなきゃ。」という言葉についに青島が激怒。胸ぐらをつかむ。 「いいか、覚えとけ。
パパが偉いからって何しても許されると思うな。許してくれるのはパパのお友達だけだ!俺たち現場の人間は違う。
パパが官僚だろうが、女を力ずくで傷つけるようなやつは容赦なく追いつめる。おまえのようなやつに傷つけられて何年も苦しんでいる女性がいるのをおまえしってるか?俺たちは区別しないぞ。
そこまで計算して生きてないんだ!!」 そのあと、男は暴力を振るわれたと父親や弁護士に訴えるが室井は取調室では何も起こらなかったと話す。これ以上話が大きくなるのを恐れた三人は署を後にする。
すべてを終え、すみれが鞄を返しに行く時、青島が言う。 「すみれさん、ひとりで解決できないことがあったらいつでも俺にいってください。…こう見えても実は俺、デカなんです。」 すみれがにっこり笑う。「知らなかった。」
青島は雪乃の病室にいた。
そして、今日起こった事件についての納得のいかない自分の気持ちを、今は言葉の話せない彼女に話していた。
しばらくして、青島が病室を出ようとしたその時。
「あ お しま さ ん …」
■第4話「少女の涙と刑事のプライド」
室井によって青島が本庁捜査一課に派遣される。
室井はエリート意識だけが高く出世ばかり気にする捜査員にうんざりしていた。
この事件でそれなりの活躍をすれば本庁捜査一課によばれることに。
しかし青島は二度も室井の期待を裏切ることになってしまう。
室井の青島への本心「私の下で働いてほしかった」
■第5話「彼女の悲鳴が聞こえない」
ある夜、すみれが帰宅途中に負傷。
以前、すみれに対する異様なまでのストーキング行為、傷害事件を
おこした男による犯行であった。
犯行はすみれに対してだけでなく広範囲に行われていた。
湾岸署は本庁捜査一課の指揮下にはいる。
しかし青島は捜査一課の指揮を無視しすみれと二人で犯人検挙に出る。
■第6話「張り込み 彼女の愛と真実」
麻薬などを扱う生活保安課の手伝いに回された和久と青島。
アパートを借りて薬物密売に関係のある家を張り込みする。
青島にとって衝撃の事実が発覚する。
張り込みターゲットの家で生活していたのは雪乃で、雪乃は海外で薬物パーティーに参加したこともあるという。
雪乃は署に連行され、本庁薬物対策課管理官一倉によって、本庁に移送することに。
雪乃の真実を信じる青島は意図的に自分を殴らせ、公務執行妨害という名目で湾岸署に拘置し
自分たちで雪乃の無実を明らかにするために捜査を開始。
■第7話「タイムリミットは48時間」
雪乃の無実を証明するため、湾岸署刑事課のメンバーは捜査をはじめる。
青島と和久はカジノのオーナーから情報を入手。麻薬の売人岩瀬の仲間は女しかいないという。
岩瀬と深い関係の女として名前が挙がっていた女以外に、雪乃は岩瀬の女を知っていた。
青島は、新たに浮上した女の勤め先に社員のふりをし入り込み、女と接触する。
女の後をつけ岩瀬を和久と共に確保し、雪乃を連行するため湾岸署にきていた一倉管理官に身柄を引き渡す。
湾岸署での雪乃の拘留期限48時間が過ぎる寸前だった。
■第8話「さらば愛しき刑事」
湾岸所管内で殺人事件発生。
本庁捜査一課の指揮下にはいる。
警視庁上層部は事件解決の新たな切り札になると考えプロファイリングチームを捜査本部に参加させていた。
キャリアの室井に敬語も使わない連中であるがプロファイリング能力は優秀である。
聞き込みなどから和久がある男に目星をつけ、捜査会議で発言した。
しかし、プロファイリングチームの犯人像とは全く異なっていた。
室井は、和久が目星をつけた男と、プロファイリングチームの犯人像に当てはまる男の二人を任意で同行を求めるように指示を出す。
結局、和久が目星をつけた男は窃盗事件の容疑者で本件とはまったく関係がなかったが、
プロファイリングチームが取り調べをしていたもう一人の男の、取り調べに途中から参加した青島は和久のやり方で容疑を自供させた。
青島の言葉「やっぱり最後は和久さんいなきゃ」コンピューター世代の青島でも刑事のカン・地道な捜査が頼りの和久の偉大さを改めて感じた。
■第9話「湾岸署大パニック 刑事青島危機一髪」
愛人がいるのがばれたため、妻を殺した殺人事件が起きた。
被疑者の愛人が湾岸署管内に住んでいるため、湾岸署に保護の指示が出る。
愛人の家はすでにマスコミで囲まれていた。
なんとか連れだし、湾岸署の応接室で。
翌日、その愛人は解放されることになった。
そのとき被害者の兄が殺人事件のきっかけとなった愛人を殺そうと湾岸署刑事課に現れる。
青島は犯人に飛びかかって、助けたが、胸を刺されてしまう。
しかし、胸ポケットに入ってたお守りのおかげで軽傷ですんだ。
そのとき、室井から電話が。
愛人を殺そうとした男は青島が事件に関係あるかも知れないと報告していたのである。
その報告は、捜査を仕切る室井にすぐには届かずにいた。
室井は青島が負傷したと聞いて、捜査体系の見直しを約束すると告げた。
■第10話「凶弾・雨に消えた刑事の涙」
和久がよく使っている情報屋のモグラから署に電話がかってきた。
青島は和久に代わろうとするが、青島に用があるという。
モグラは、取引を持ちかけてきた。和久が追い続けてきた八王子処刑間殺しの情報を持っているという。
青島が取引に乗ろうかと考えていることを知った和久は、取引を拒否する。
青島は、室井に捜査一課で動いてもらえるように頼むが、室井は上司の指示で動けずにいた。
その後八王子の警官殺しは安西という男で、拳銃を持ち込み売りさばこうとしていることが解る。
そのころ、講習を終えた真下と、雪乃は、電話ボックスを破壊している男を発見する。
その男は頬にキズがある男安西だった。
真下は、その男に警察手帳を見せ自分の身分を明らかにした瞬間、何かが起きた。
離れたところにいた雪乃は何が起きたのか解らずにいた。
歩いて去っていく安西、身に倒れる真下。
雪乃は慌てて駆け寄るが、声も出ずに呆然と。
刑事課に真下が打たれたとの電話がかかってきた。
緒kg鬼警視庁110番受信センターから通報が。
慌てて現場へ向かう湾岸署の刑事たち。
拳銃携帯の指示が出て署に戻った青島に、捜査本部設置のため駆けつけた室井が言った。
「私が全面的に指揮を執る。もう上の者には何も言わせない」
■第11話「青島刑事よ永遠に」
真下が撃たれた事件の捜査本部が湾岸署に設置され、会議が始まっていた。
本庁、所轄の捜査員からの初動捜査の報告、本格的な捜査が始まる。
風俗の店で安西らしき人物が現れたという情報で、青島とすみれはその店に向かう。
その店で、安西と遭遇。安西は青島に拳銃を向けた。
とっさに発砲する青島。安西には逃げられたが幸い負傷した人間は居なかった。
しかし、日本の警官は仮に撃たれても発砲してはならないので問題になる。
室井と青島は、捜査本部から離れ、二人で独自に行動。
西麻布のクラブで安西が拳銃番愛のため現れるという情報を入手し、
その店で安西を待つ。
店に入ってきた安西、店の中へと進む。
そのとき「確保!」室井が叫んだ。
その店にいた人間は皆刑事で安西を取り囲み、逮捕。
事件は無事解決したが、室井と青島の行動は当然問題視され、査問委員会が開かれた。
室井はキャリアということもあり訓告。青島は階級面での降格はないにしろ交番勤務に戻された。
青島は素直にそれを受け入れた。
査問委員会の後。青島に室井は「今度うちに来ないか。きりたんぽ鍋作るから」
青島は「楽しみにしてます。ヘリで向えに来てくださいね」
そして、二人の敬礼。
もう共に仕事をすることはないかも知れないが二人の信頼関係はこれからも続く。
■SP1「歳末特別警戒スペシャル」
室井は警察庁に戻り、警備課長になっていた。
警備の現場視察へ来た室井は車の窓から制服を着て警備に当たる青島を発見した。
そして室井の計らいで青島は湾岸署に復帰したが湾岸署では刑事課に戻れずたらい回しにされる。
そんなとき殺人事件が発生し湾岸署に捜査本部が設置された。
捜査本部で捜査員への資料配りをする青島。
そこへ入ってきた捜査一課長島津、そしてもう一人の男が。
もう一人の男は警察庁のキャリアで、警視庁に出向し、捜査一課管理官に着任した新城である。
島津に捜査会議を進ませるが島津のしきりによる会議中、新城が口を開いた。
「あのさ」
「いつも思うんだがこんなに人を集めても能率的じゃない」
「本庁の捜査員だけ集めて後は待機でいい」
それに対し、島津と神田署長はそれとなく反論するが無視し、マイクへ向かう。
「捜査報告は各自書類で提出してくれ。捜査方針も書類で知らせる」
「本庁から来た捜査員のみ残って、所轄は待機」
所轄の人間は陰口をたたきながら会議室を出ていく。
新城は捜査の能率を考え縦割り体制を徹底して迅速に捜査を進めようとする男であった。
湾岸署の刑事たちは、通常業務へ戻り、別の事件の容疑者として鏡という男を取り調べる。
しかし、取り調べ担当の真下が目を離したとき、鏡は刑事課に置いてあった別の暴発事件の散弾銃を手に袴田課長を盾に刑事課に籠城する。
鏡は、捜査本部が追っている捜査の犯人でもあった。
署内で起きたことに気づき、捜査本部から新城も現れ、散弾銃を持つか鏡の居る刑事課へ堂々と入っていき、鏡の要求は一切聞きいれないと断言。
新城は、自分の手で解決しようと本庁にも報告してなかったが、真下が室井に連絡したことにより本庁上層部にも事件が知れた。
室井の進言により、最近存在を公にした特殊部隊、SATを出動させる。
SATにより鏡は逮捕された。
その後室井から電話の後、新たな事件の通報が。
部下に現場へ向かうよう指示する袴田。「青島君もだ」
青島は「俺・・・、刑事課でいいんですか?」
「ここで正月中働かせろと室井さんの指示だ」
青島は、ようやく湾岸署刑事課に戻れたのである。
■SP2「番外編 初夏の交通安全スペシャル」
湾岸署交通課に篠原夏美巡査が配属になった。
捜査本部では管内で起こった事件の被疑者が浮上した。
夏美は偶然、被疑者を発見。ミニパトで追跡する。
行き止まりの道路で被疑者の車と向かい合う夏美のミニパト。
捜査本部が設置されるほどの大きな事件の被疑者を警察学校出たての夏美に確保できるのか不安な湾岸署幹部。結局結論は出ず、判断は本庁管理官にゆだねることに。
新城管理官は、「私は逃げた方がいいと思う」
無線で指示を伝えるが夏美は逃げようとはしなかった。
■SP3「秋の犯罪撲滅スペシャル」
湾岸署管内で放火事件発生。捜査本部が設置され新城管理官が捜査責任者に着任。
被疑者はすぐに見つかり、捜査本部は被疑者を引き取りに行くことになる。その運転手役に青島が起用された。移送要項では所轄に課長クラスが引き渡しに必要なため真下、被疑者が女性と言うことですみれ、そして本庁捜査一課の南の4人で引き取りに向かった。
被疑者を車に乗せ湾岸署へ向かう途中、強盗事件に巻き込まれ引き取ってきた被疑者を散り逃がしてしまう。
■MOVIE「湾岸署史上最悪の3日間」
湾岸所管内での二つの事件から始まった。
隣接署との境界である川で発見された水死体、警視庁副総監誘拐事件。
引き上げられた水死体はオペの形跡があり胃からくまのぬいぐるみが発見され、猟奇殺人の可能性が出てきた。
被害者がよくアクセスしていた怪しいHPを発見した真下と刑事課に配属された雪乃。そのHPの人間と接触するが、一度は逃げられてしまう。
一方、副総監誘拐事件は湾岸署員には捜査内容極秘で本庁によって捜査本部が設置された。
本部長にはふたたび警視庁に出向し参事官になった室井警視正がつくことになる。
しかし副総監誘拐という重大事件を警察庁・警視庁上昇部が室井に任せるはずがない。湾岸署内に設置された捜査本部とオンラインで接続された警視庁内の会議室から警察庁局長、警視庁上層部が全体的な式をとることになり現地本部長の室井は自分の捜査方針で捜査を仕切ることも出来ずにいた。
副総監誘拐事件の被疑者からの身代金電話があり、遊園地で待ちかまえるが失敗に終わる。
その後、猟奇殺人の被疑者真奈美が、拳銃を持ち湾岸署に現れる。数人の制服警官と共に青島が確保。
副総監誘拐事件は犯人からの「もうおしまいだ」という電話を最後に接触の機会はなくなり、公開捜査になる。
捜査本部では、室井が継続して本部長を務め、本庁、湾岸署及び隣接署による捜査会議が行われる。
和久は独自に捜査を開始し、青島は猟奇殺人の被疑者真奈美に犯人像推測をさせる。それは捜査本部のプロファイリングチームとは全く別であった。
青島は犯人に目星をつけ、それを捜査本部に報告。和久も地道な捜査から同じ人間に目星をつけたが後ろから殴られ焼却炉のある建物に監禁されてしまう。
青島は刑事課の窓から赤いケムリを発見、屋上にのぼりケムリの出ている場所を確認し、その場所へ向かう。そのケムリは接待ゴルフの署長のブービー賞で和久がもらったスモークボールを燃やしたのだった。青島は監禁されていた和久を発見、和久からの情報で被疑者の家を発見。
「被疑者の家、判りました」青島は捜査本部に知らせる。
事件解決の可能性が出てきたとたん警視庁の会議室では、どの部署の捜査員に確保させるかの話しになる。本庁会議室ではとりあえず所轄にはさせないという結論には達した。
そうしているうちに、青島は被疑者に顔を見られる。「被疑者らしき人間にみられました」本部に報告する。
指示を求める青島からの無線にも無言の室井。本庁の会議室の刑事局長からは動くなと指示が出る。
「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」と青島。
捜査本部、保温賞の会議室は静まり返る。
「青島、確保だ」ようやく室井が指示を出し、青島は被疑者宅へ急ぐ。
本庁会議室の幹部連中を無視し、室井も現場へ向かう。
被疑者に家に入り、被疑者グループを前にする青島。その時後ろから突然刺される。
現場に到着した室井によってパトカーで病院に搬送、そのとき青島はゆっくり目を閉じ、手も力無く・・・・。
そのときいびきが。青島は捜査に疲れて寝ていたのだった。
すみれも室井も最初は解らずにいる。青島が気持ちよさそうに寝ていることに気づく二人。
誘拐された副総監は無事、青島も室井が見舞いに行ったときには自らリハビリを始めるほど元気になっていた。